地震に備える

1. 地震時における窓ガラスの危険性

地震で窓ガラスが割れる原因として、大きく二つが挙げられます。

地震時 窓ガラスの危険性一つは、倒れた家具が窓ガラスに当たったときの衝撃。もう一つは、窓枠のゆがみに耐えられなくなって起こる損壊です。両者の原因は違えど、割れたガラスが危険であることに変わりはありません。床に散乱した小さなガラス片は、足裏に刺さって抜けなくなることもあります。一瞬にして多くのガラス片が飛び散るため、大ケガを負ってしまうかもしれません。また、ガラスの形や取り付け状態によっては「そのまま」落下してくることもあります。割れるよりも安全なイメージがありますが、非常に重たく、落下と同時に割れる可能性も否めません。さらに、ガラス片の散乱が家の外に及ぶ可能性も忘れてはいけません。とくに倒れた家具が原因で割れた場合は、破片のほとんどが外に散乱することになります。住宅街など建物の多いエリアは非常に危険です。おそらく、多くの人はこうした危険性をじゅうぶんに理解しているでしょう。しかし、対策までは手が回っていない方もいるのではないでしょうか。いつ起こるかわからない地震。窓ガラスが割れると、想像以上の被害を及ぼしてしまいます。割れないように、割れたときのために、防災意識を持っておくことが重要です。

 

2. 地震時に注意すべき窓ガラスとは

気象庁が公開している「気象庁震度階級関連解説表」によると、窓ガラスが割れる可能性があるのは震度5弱以上。棚の食器や本、置物など不安定なものが倒れる大きな揺れです。

地震時 注意すべき窓ガラスとはいえ、すべての窓ガラスが同じタイミングで割れる……ということはあまりありません。割れやすいものとそうでないものの差は少なからずあるのです。普段、直射日光や雨風にさらされている窓ガラスは、月日が経てば劣化が進み、ガラス自体がもろくなっていきます。さらに劣化が進むと、地震の有無に関わらず突然破損し、「何もしていないのに窓ガラスが割れた」という事態を招きかねません。つまり、同じ窓ガラスでも古いものは経年劣化が進み比較的割れやすいと言えるのです。現在すでに亀裂が入っている場合は要注意。小さな揺れでも、耐えられずに割れてしまうかもしれません。また、物理的条件によっても危険度は変わります。例えば、窓ガラスの近くに設置した食器棚。大きな揺れで食器棚が倒れたときの結果は、容易に想像できるでしょう。さらに、ベッドの配置にも注意が必要です。就寝時の地震に素早く対応できず、上から破片が降ってくる事態も想定しておかなければなりません。窓ガラスに限らず、新しいものは古いものより衝撃に強いです。窓ガラスの細部まで見る機会は少ないですが、気が付いたときにチェックしてみるのもいいでしょう。劣化していると感じたら、ガラス自体を交換するタイミングかもしれません。

 

3. やっておくべき窓ガラスの地震対策

自然現象に抗うことはできませんが、被害を最小限に抑えることは可能です。

窓ガラス 地震対策窓ガラスにおいても例外ではなく、割れないように備えられる対策があります。もっともメジャーで簡単な方法が、「フィルム」を貼り付けるという手段。窓ガラス用のフィルムを活用することで、割れたガラスの散乱をフィルム全体が食い止める仕組みです。フィルムの種類によってさまざまな用途があり、日射熱や紫外線をカットしてくれるものも販売されています。地震対策だけでなく、空き巣・不法侵入といった防犯にも役立てられるでしょう。また、強い地震でガラスが割れてしまった場合を想定した対策も大切です。日常的に意識しやすいのは、カーテン(またはレースカーテン)を閉めること。窓ガラスが割れると破片は広範囲に飛び散り、寝ている体に降りかかってくるかもしれません。カーテンを閉めることである程度散乱を防ぐことができ、その後室内を移動する際にガラスを踏む危険性も低くなります。何気なく開け閉めするカーテンですが、地震対策としては非常に心強いのです。フィルムやカーテン以外にも、家具の配置や倒壊防止策といった方法があります。今すぐにできる地震対策もあるので、一つでも多く取り入れて安全性を高めましょう。

 

4. 地震に強い窓ガラスとは

窓ガラスの種類によって「割れにくい」、あるいは「割れた破片が鋭利にならない」といった特性を持つものがあります。

地震に強い窓ガラス一つ目は、ガラスの中にワイヤー(針金)を通した「網入りガラス」。割れにくさは優秀と言えませんが、張り巡らされたワイヤーによってガラス片の散乱を最小限に抑えることができます。二つ目の「合わせガラス」は2枚以上のガラスを特殊な樹脂で接着したもので、自動車のフロントガラスにも使用されています。この樹脂膜のはたらきによりガラスを吸着。破片の散乱を大きく減らすことができます。防音・防犯にも活用できるガラスです。そして3つ目が「強化ガラス」。一般的な板ガラスに加熱・冷却を繰り返すことで強度を高めています。強化ガラスの特性は、割れにくいうえ、破片が粒状になる点。万が一割れてしまっても、ケガを負うリスクを大幅に軽減できるガラスです。窓ガラスにもいくつかの特性があり、取り付ける場所や目的によって向き・不向きがあります。割れにくさ・破片の安全性・貫通のしにくさなど、それぞれの特性を見極めて選ぶと安心です。

 

5. 地震に関する窓ガラスまとめ

大きな地震が発生すると、家々に甚大な被害を及ぼします。

地震 窓ガラス まとめ地割れや火災といった二次被害が起こることも多く、そのたびにあらゆる対策がなされてきました。家具が倒れないような工夫、物が少なく広い場所への避難、身を守るための体勢など普段から取り組める対策は数多くありますが、その一つが窓ガラスに対する意識です。実際に経験しなければ実感は得られませんが、窓ガラスでも人を傷つけることは容易であり、とくに小さな子どもが住む家にはたくさんの危険が潜んでいます。まずは「どんなことが起こり得るか」を考えることが重要です。窓ガラスの一部が破損しただけでも大きなケガにつながるかもしれません。家の中は安全でも、周囲から倒れてきたものがガラスを割ってしまうかもしれないのです。窓ガラス一つに対策を施すだけで、日々の安心感はずっと上がるでしょう。「もしものとき」に役立つ心がけ・対策で、今よりもっと安全に毎日を楽しみましょう。

関連記事