窓ガラスに貼れるフィルム貼れないフィルムとは⁉

窓ガラスの種類と選び方 複層・断熱・合わせ・強化・防音・防火

 

住宅や店舗で使用されている現在のガラスは、断熱性・遮音性・防犯性、どの側面から見ても日々進化をし続けており、さまざまな役割を果たすことができます。
このページでは様々なガラスの種類とその特性について紹介しています。ご自身に合った「快適」な住まいの実現のためのお役立ち情報として是非お使い下さい。

様々な機能をもったガラスの種類

 

自宅やビル、お店などで使用されているガラスには使い方によって異なる様々なタイプの特性、性能を持ったガラスが使用されています。
ガラスの特性や用途を間違えると本来のガラスの性能が発揮できず快適な暮らしから遠ざかってしまうケースもあります。また安全面に支障をきたす場合もありますので
ガラスの特性や用途を知ることは我々の暮らしにとってとても重要なことになります。ここでは用途別に分類されているガラスの種類と特性紹介をしていきます。

ガラスの種類には、大きく分けて「一般ガラス」と「機能ガラス」があり、それぞれの機能や役割に応じて使われています。

 

一般ガラスとは

窓ガラスによく使われる一枚でできた一般的なガラスです。
強度・防音・防犯といった機能については、あまり期待することはできません。
また、水に濡れると透過度が増してしまう特徴や汚れが落ちにくい特徴を持っていますので浴室や台所など水場での使用には向いてません。
特性として光を取り入れることができますので、視線を遮りプライバシーを守りつつ明るい空間を作りたい場所におすすめのガラスです。

 

一般ガラスの種類

フロートガラス

普通の透明ガラスでよく目にする住宅のガラスがこのフロートガラスです。平面が平滑で歪みがなく、透視性や採光性に優れています。
強化ガラス、防音ガラスなども、このフロートガラスを加工して製作されます。
ガラスの中でも加工がしやすいガラスですので、比較的DIYに適しており窓ガラス、ガラステーブルトップ、
ガラス棚板、棚の扉、などによく利用されます。

 

 網入ガラス

ガラスにワイヤーを封入したガラス(火災などでガラスが割れても破片が飛び散らないようにするため)で、線入りガラスや金網ガラス、
防火設備用ガラスとも言う。飲食店やガソリンスタンドなど火を扱う店舗など建築基準法で規定される延焼のおそれのある部分の開口部に使われています。
一見防犯性が高そうですが、ガラスを割って網を簡単に引きちぎることが可能なため防犯効果は期待できません。

 

 型板ガラス

ガラスの片面に型模様をつけたくもりガラス(不透明ガラス)。光を通しつつ視線を遮るガラスのため浴室やトイレ、玄関などの
プライバシーを要する箇所によく使用されている。表面が凸凹しているのが特性。

 

 すり板ガラス

フロート板ガラスの片面を金剛砂で摺ってつやを消し不透明にしたガラスのことです。よく型板ガラスと同じモノと思われていますが、
ガラス表面に細かい傷をつけたガラスがすりガラスになります。型板ガラス同様、光を通しつつ視線を遮る特性があるためブライバシー箇所に
使われますが、汚れが付着すると取り除きにくいという特性もあるため、浴室や台所での使用はおすすめできません。

 

機能ガラスとは

熱や風に強い、割れても飛び散りにくいなど特殊な効果を持たせるためにつくられたガラスのこと。
防災に役に立つ合わせガラス、省エネに貢献するエコガラスなど様々なモノがあります。最近では
快適で安心・安全な暮らしを手に入れるために機能ガラスを導入する家庭が増えています。

 

機能ガラスの種類

複層ガラス

スペーサーという部材で、2枚のガラスの間に中空層を持たせて、乾燥した空気やガスなどを挟み込むことで断熱性を高めたガラス。
断熱性に優れていて、冷暖房の消費を抑えることができるので、省エネ効果もあります。冷たい外気の影響を受けにくいという特性が
あるため冬に不快な結露の発生を抑えてくれます。外部からの日射熱を室内に入れにくい遮熱タイプの複層ガラスなら、
大きな窓のある部屋でも冷房効果を高め、涼しく快適な環境をつくります。合わせガラス(ペアガラス/ペヤガラス)にすることで遮音効果や防犯効果もあるため
ビルの窓ガラスに使われています。

 

 Low-E複層ガラス

複層ガラスの内側に特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングしたものがLow-E複層ガラス。
従来の複層ガラスの断熱効果に加えて遮熱効果がプラスされているため、近年多くの住宅メーカーで用いられています。
夏の日差しをカットして冷房の効率を高め、冬は室内の暖房熱を逃さないのでより高い断熱性能が期待できます。

 

 強化ガラス

熱に強く、耐風圧強度(普通のガラスに比べて、約3.5倍~4倍)のあるガラスのこと
万が一割れても破片は粉々になるため大ケガに繋がることはありません。そのため、「安全ガラス」とも呼ばれています。
防犯ガラスと同じ扱いをされることがあるが、強化ガラスの防犯性は高くはありません。強化ガラスは表面を熱し、冷却して
表面に薄い膜が出来ることで強度を上げているのですが、ガラスの小口に固いものがぶつかるとガラスに欠けができ簡単に割れてしまうためです。

 

防犯ガラス

防犯ガラスの多くは。2枚のガラスの間に特殊フィルム(ポリカーボネード)を挟み、貫通しにくくした合わせガラスを使用しています。
ドライバーによる「こじ破り」、バールなどによる「打ち破り」に高い抵抗力を発揮します。
近年、侵入犯罪の増加とともに、防犯対策、特に防犯ガラスの強化が必須となってきています。
進入犯罪の侵入方法で一番多い方法は、ガラス破り。(住宅の空き巣の約7割をしめています。)
窓ガラスからの侵入を防ぐために効果的な方法は、「破るのに時間がかかり、ガラスを割った時に大きな音がすることです」にすることです。

 

防音ガラス

防音ガラスも防犯ガラス同様合わせガラスでできています。防音ガラスは、外部からの騒音を遮り、中から外に出ようとする音
それぞれを防ぎます。
車の通行が多い道路の側にある家やビルの窓、楽器演奏をする部屋のガラスなどに使われます。

 

防火ガラス

以前は、網や線の入ったガラスがメインでしたが、最近では耐火性や耐熱性の優れた網や線の入っていないタイプの物が主流となりました。
ショッピングセンターの売場や大きな工場など大規模な床面積の場所で使われています。

 

 まとめ

ガラスにはそれぞれの特性、それに合った性能がありますので様々な用途に対して適したガラスを選んだほうが
快適な生活に繋がりやすくなります。
ただ用途によってガラスの種類を使い分けことは簡単なことではありません。もしご自身でガラスを選ぶことが難しいのであれば、
ガラス取り扱い店舗や経験豊富なプロが在籍している業者に相談または交換を依頼してみてはいかがでしょうか。

その他のガラス

ガラスを原料として作られる製品は住宅用のガラスだけではなく、建設用・電気機器・工業用・理化学・医学用など幅広い分野で使用されていて、
今や私たちの生活だけでなく社会にとってもなくてはならない材料のひとつとなっています。また機能面だけでなくモザイクガラス・ステンドガラス・鋳造ガラスなど装飾品としても多く使用されています。
ガラスは使用目的や用途によって材料や成分、加熱・加工方法など大きく異なってきます。このページでは各ガラスがどんな製品になっていくのか、またそのガラス製品の特徴についてご紹介していきます。
新しい発見もあるかと思いますので、ぜひ皆さんのお役立ち情報としてご利用下さい。

 

ガラス繊維

ガラスを細かくし、引き伸ばして繊維状にしたもの。自動車の窓ガラスやブラウン管、蛍光灯などの廃ガラスを溶かして作られる「グラスウール」(短繊維)や
石英や水晶を2,000℃以上で溶融、冷却して作られる「グラスファイバー」(長繊維)などがあります。
プラスチックにガラス繊維を混合して固めることでプラスチック単体より高強度で軽量な材料になります。
本来ガラスが持つ耐熱性・不燃性・耐久性と、繊維が持つ柔軟性を併せ持っている点が特徴になります。
断熱材としても優れた性能を発揮するため、自動車や電子・電気部品などに使用される強化プラスチックの材料としても使用されることがあります。
また、東京ドームの屋根(上部に設置されているテント状の屋根の膜材)にもガラス繊維は使用されたりしています。
原料がプラスチックの繊維と比べて強度面に優れています。ただ、使用方法によっては劣化しやすいことがあり、使用から3~5年程度でも破損することがあるので
スポーツ用具やヘルメットなど安全面に関わる使用をする際には十分な注意が必要です。

 

光学ガラス

望遠鏡や顕微鏡、カメラや無視鏡などの光学器械のレンズに使用されている、ムラがなく透明度の高いガラスです。
通常のガラスは不純物が混ざることで濁った仕上げりになってしまいますが、光学ガラスは厚さが100メートルでも濁らずに光を透します。
ガラス成分の組み立てを様々なパターンに変化させることによって,屈折率や分散能(物質が光を分散する能力を示す量),
透過性などを整えて必要な波長域に特有の性質を持たせます。
使用される原料は約70種類あり、光学ガラス自体の数も100種類以上あります。
カメラレンズやガラススケール、遮光メガネや宝石の鑑定ルーペなどに使用されています。
値段は比較的高く、価格は通常のガラスレンズの3倍~5倍します。

 

板ガラス

板のような形状をしていて窓などの建築用に使用されるガラスです。
高度な加工技術により採光性、透視などに優れているため建築用だけではなく、鏡・食器・電球・光ファイバー・家具などに使われているほか
最近では大型平面テレビや医療機器にも広く使用されています。透明な板ガラスの表面を不透明にしすり板ガラスとして
ブライバシーを確保したいトイレやお風呂にも使用されたりと、生活の身近な部分に広く使用されているガラスです。

 

ガラスブロック

プレスした2枚のガラスの開口部を高温加熱溶着して中空にしたガラスです。
形状は正方形・長方形が主流ですが異形品や建物のコーナー用もあり、いろんな色や柄、サイズがあります。
断熱性や遮音性に優れているため、壁面や床、天井や間仕切りなどに使用されます。
光の拡散に優れており、やわらかい光を均等に室内に採り入れる特徴があります。
取り付けはセメントモルタルで積み上げるのが主流ですが、一定量をパネル状に組み込んで取り付けたタイプのものもあります。
一定の条件をクリアすれば乙種・甲種防火戸としても使用できるのが大きな特徴です。

 

安全ガラス

事故や災害などで衝撃を受けて破損しても、ガラスの破面で人体などをできるだけ傷つけることのないように加工されたガラスのこと。
主に合わせガラスと強化ガラスがあります。合わせガラスは破損してもガラスの破片が散乱しにくいため自動車のフロントガラスに使用され
衝突時に体が車外に飛び出すのを防ぐ役割もしています。強化ガラスは通常のガラス(フロート板ガラスなど)に比べると3~5倍の強度があり
破損しても大部分は数ミリ単位の細片になるので安全性に優れています。
安全ガラスは住宅はもちろん学校やオフィス、デパート、高層ビル、ドアのガラスなど身近な場所で使用されていますが、
性能上防犯力を下げるため、防犯効果は期待できません。

 

電気機器用ガラス

通常のガラスとは異なった成分による幾つかの要素の組み立てで作ったガラスのこと。
電球、蛍光灯、電球、X線管、ブラウン管などに使用されています。
ガラス管で作られた真空管(電極をガラス管に封入し、管内を真空に近くしたもの)などは音響アンプやラジオの部品に使用されたりもします。

 

クリスタルガラス

水晶のように無色透明なガラスのこと。透明度と屈折率が高くなって水晶のように光り輝く透明なガラスになることから、通称して「クリスタル」と呼ばれています。
成分の中で鉛を多量に含有しているものは光の屈折度が高く深みを増すためガラス器に向いていると言われています。
また酸化鉛を多量に含有しているものはワイングラスに向いているとも言われています。
その他にもガラス食器・グラス類・ガラス工芸・シャンデリア・ジュエリーなどにも使用されています。
日本を代表するメーカーとしてはHOYA(傘下に高級クリスタルのグラス、花瓶、トロフィー、ジュエリーのHOYAクリスタル)があり、世界的に有名な高級食器ブランドの
バカラでも使用されています。

 

まとめ

ガラスは透明度や屈折率が高いためいろんな場所、製品として使用されています。しかしその機能性の反面、衝撃に弱く破損しやすいという面も持ち合わせています。
ガラス製品の特徴を理解しその製品にあった方法で取り扱い、ガラス製品を有効的に長く使用できるようにして下さい。

 

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