意外と知らない!!室内に入る紫外線の影響とその対策をご紹介

「紫外線対策」というと、日傘や日焼け止めなど、お出かけのときに準備するものを思い浮かべますよね。

でも実は、室内にも紫外線が入ってきていて、知らない間に紫外線を浴びているのです。

紫外線が室内に入ることによる影響と原因、そして室内に入れないようにするための対策についてお教えします。

過剰な紫外線が人と家に悪影響!

お役立ち情報(紫外線、室内)画像1

太陽光に含まれる紫外線は、健康に密接にかかわっています。

紫外線を浴びることによって、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で生成されます。

ビタミンDが不足しがちな赤ちゃんや妊婦さんは、適度な日光浴が効果的であるとも言われています。

しかし、紫外線を過剰にに浴びることで、日焼けやシミ・そばかすといった、お肌のトラブルの原因となります。

屋外で過ごす場合の紫外線を浴び過ぎないようにするための対処方法は、日傘や日焼け止めなど多く紹介されています。

ただ、意外と知られていないのは、室内にも紫外線が入り、知らない間に紫外線を浴びている、ということです。

紫外線は人体への影響だけでなく、室内の床や家具の劣化を促進します。

紫外線に弱い材質のものは、色が変わってしまう、といった変化を生じてしまいます。

住む人と家を健康に保つためにも、しっかりと室内の紫外線対策をすることが大切です。

>>入射する紫外線量を緩和して取り込む? 「光ダクト」を使った家づくりの事例

紫外線は、明るさと一緒に窓ガラスから入ります

日当たりの定期についてのイメージ画像

では、紫外線はどこから室内へ入ってくるのでしょうか?

紫外線は、通常の自然光と同様に、窓のガラスを透過して入ってきます。

屋根や外壁は、基本的に紫外線を透過させません。

屋根や外壁の材質となる金属や木材、コンクリートなどは、紫外線を透過できず、反射あるいは吸収されてしまいます。

このように、有害な紫外線から守ってくれるのが家の役割と言えますね。

一方、窓のガラスや一部のプラスチックは、全てではありませんが、紫外線を透過させます。

窓から入った紫外線のほとんどは、床や壁に当たることで吸収されてしまいますが、一部は反射して室内側へ飛んでいきます。

紫外線は光であるため、部屋の中に留まり続けるわけではありません。

ですが、常に窓から入って室内全体に広がるため、日傘のように直接防ぐ対策をすることができなくなります。

また、直接光が差し込む窓周辺の家具や床は、紫外線がそのまま当たるため、紫外線による影響を受け、色あせや変色をしやすくなります。

室内での紫外線対策には、可能な限り窓から入って来た段階で対策をするのが効果的です。

>> 関連記事『日当たりは本当に重要? どちらの理由も知って自分に合った選択を! 』

紫外線の室内への侵入を防ぐ3つの対策

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紫外線の室内への侵入を防ぐための対策をいくつか紹介します。

カーテンやブラインドをつける

紫外線が気にされるようになる以前から知られているカーテンやブラインドは、十分な紫外線対策となります。

カーテンやブラインドで、紫外線を反射あるいは吸収させることで、窓際で紫外線を遮り、室内への侵入を防ぐことができます。

光(可視光線)が透けないカーテンであれば、ほぼ100%の紫外線をカットします。ブラインドも遮光した状態であれば、紫外線は通しません。

カーテンやブラインドのデメリットとしては、自然光も遮るため部屋の中が暗くなってしまったり、外の景色も見えなくなってしまうことです。

しかし最近では、光をよく通すようなレースのカーテンでも、紫外線遮光率の高い製品が出てきているようです。

このような製品をつけることで、明るさや眺望もある程度確保しながら、紫外線もカットできます。おおよそ80~90%の紫外線カット効果が期待できます。

直接日差しが差し込む時間帯に窓周辺で過ごす時は、なるべくカーテンを閉めるように心がけましょう。

>>関連記事『お部屋をもっと明るく!窓の光を効果的に利用する「採光」アイテムまとめ』

窓ガラスに紫外線カットフィルムを貼る

最近よく聞く紫外線対策の製品としては、紫外線カットフィルムがあります。

この製品は、通常の明かりはなるべく透過して、紫外線のみをカットするように材質を工夫したフィルムです。

窓に貼り付けることで、貼り付ける前とほとんど変わらずに明るさを維持でき、さらに紫外線対策ができます。

デメリットとしては、わずかに窓の色が変わることです。

多少青かったり、黒かったりするため、部屋の雰囲気も少し変わってしまうかもしれません。

また、スマートフォンの液晶保護フィルムと違って窓は面積が非常に広いので、上手に貼るのは少し難しいです。

ガラスをきれい洗ったり、紫外線カットフィルムを裁断したり、と少し手間がかかりますので、DIYが好きな方と一緒に行うようにしましょう。

そして、紫外線カットフィルムの貼り付けで最も注意しなければならないのが、「窓の熱割れ」です。

製品によりますが、たとえば単層の網入りガラスなどには貼ることができない場合があります。

紫外線カットフィルムは、紫外線を吸収するように設計されているのもがあり、貼り付けることで窓ガラスの温度が上がり、割れてしまう可能性が高くなってしまいます。

通常の単層ガラスやペアガラスでは問題ない場合がほとんどですが、貼り付け可能かどうかを製品の注意書きで十分に確認しましょう。

窓ガラスを紫外線カットガラスにする

最近は、新しく家を建てる場合には、比較的標準的に取り入れられるようになってきていますし、簡単にリフォームすることも可能となってきています。

紫外線カットフィルムを貼るよりも費用が高くなってしまいますが、窓ガラス自体に紫外線カット効果があるために耐久性が高くなります。

また、工務店やリフォーム業者などのプロが施工するためきれいに仕上がり、補償してくれる場合もあるため、長期的に安心して使用できます。

費用を抑えたい場合には、リビングや寝室に面する窓だけ、あるいは直射光が入りやすい南向きの窓だけ、など紫外線による影響の強い窓から変えてみることをお勧めします。

あまり長い時間を過ごさない部屋では紫外線を浴びることが少なく、北向きの窓では南向きと比べて入ってくる紫外線も小さくなり、十分な紫外線対策になります。

住まいでの生活スタイルを考えて、費用と効果のバランスを見て設置してみてはいかがでしょうか。

>>関連記事『遮熱とは?断熱だけの住宅をもっと快適にする考え方と利用方法』

紫外線を抑えて明るくする「光ダクト」

「どこでも光窓」の特徴 直射光の演出

新築やリフォームをお考えの方は、光ダクトを検討してみてはいかがでしょうか。

光ダクトは、天窓などの日当たりの良い窓から光を取り込み、内側が鏡状になった管を使って1階や北側の部屋まで光を届ける建築構造です。

天窓で紫外線を80%以上カットするともに、鏡の反射を複数回行うことで紫外線を軽減します。

光ダクトの大きさを変えて必要な明るさは確保します。

大きな窓のように直射光が眩しすぎたり、紫外線が入りすぎたりすることはありません。

暗い家は嫌だけれど、直射光や紫外線も入れたくない、といった方にはお勧めです。

>>関連記事『光ダクトとは?窓がない部屋にも自然光を取り入れる仕組みを基礎から解説』

まとめ

自然光を取り入れて、明るく健康に暮らすための窓ですが、知らないうちに人体に有害な紫外線も室内に取り入れています。

屋外と比べると少なく、室内では過敏に警戒する必要はありませんが、自然光をたくさん取り入れたような住宅にお住まいの方は、紫外線対策についても考えてみる必要がありそうです。

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